東京矯正歯科学会秋季セミナーに参加してきました

10月24日、東京矯正歯科学会秋季セミナーに参加してきました
テーマは
抜去か?保存か?第三大臼歯の適切な対応を再考する
です。
場所は有楽町朝日ホール
マリオンの上の階です。この建物については買い物よりも学会で行くことの方が多い(苦笑)
遅刻して行ったら
会場は大盛況で立ち見が出るほど。関心の高さが伺えます。
急遽設営された最前列の席にそそくさと座りました。ちょっとバツが悪かったです。

第三大臼歯 は親知らずと呼ばれています。
智歯とも言います。
親知らず なのは18歳ごろ、昔なら親がなくなった頃に生えてくるから など諸説があり
智歯は英語のwisdom teethの訳で
これも知恵がついた頃に生えるから、などと言われています。

親知らずをめぐるトラブルが知られているせいか、
一般にはありがたくないと認識されている印象ですが
歯科治療ではいろいろな可能性を持っています。

たとえば矯正治療では
斜めに生えている智歯を起こしたり
手前の歯を失った空隙に移動させたり。

今回のセミナーでは 移植症例を多く手がけている口腔外科の先生による
移植症例の供覧と治療を行う上での注意点など

喪失歯への移動を多く手がけている矯正の先生による
症例供覧と治療のポイントなど

を学んできました。
実は初めに解剖学の先生の発表もあったのですが
間に合わず・・残念でした。

移植の予後についてはお話をする先生によって温度差があり
あまり保たない・・と消極的な意見から
どんどん試み、良い成績を挙げている方もいて
どのようにお話しすればよいのか難しいです。
実験と違って色々な要因が関わるので
そこも変数として加わっているのだと思います。
うまく行くのか、行かないのか 
正直に伝えようとすればするほど 
言葉が増えてわかりにくくなってしまう気がします。
これは智歯を起こしてくる矯正についても同様で
該当部分の骨の状態も影響してきます。
歯が移動できる骨の環境というものがあり
薄い土手のようになった骨の中で歯を動かすのは難しいしリスクがあります。
その意味で、CTの情報量の多さはありがたいな思います。

とはいえ、智歯を巡っての知見がアップデートでき
診療時間を早めに切り上げて行った甲斐がありました。