矯正歯科(歯列矯正)

歯列矯正とは?

歯列矯正とは、歯並びを正し、機能的かつ美しい口元への回復をお手伝いをするものです。

乱れた歯列は、食べ物を噛み砕いて消化しやすくするという消化器官としての口腔の機能を妨げるばかりでなく、食物が滞りやすく虫歯や歯周病のリスクも上げてしまいます。口が閉じにくいと明瞭な発音ができず、口呼吸になれば、のどが炎症を起こして風邪をひきやすくなります。

さらに、口元に劣等感を抱いて消極的になったなら人生にとって大きな損失です。

歯列不正のタイプによっては、乳歯列期に治療を開始することで、永久歯での本格的な矯正治療を回避できる可能性があります。小児期にしか出来ない治療もあります。長い一生のうちで、今だから出来る、してあげられることを知っていただきたいと思いますので、お気軽にご相談ください。

当院では、歯列不正の兆しが見え始める乳歯列から成人の永久歯列まで、幅広い年代の患者さんに対し、矯正医が治療にあたっています。

「矯正は若いときにするものでしょう?」とおっしゃる成人の方もいらっしゃいますが、そうではありません。

年齢を重ねた方でも、歯の移動は可能です。

歯周病で歯並びが乱れてくるのがよい例です。力がかかればいくつになっても歯は動きますし、制御された力であれば、きれいな歯並びをつくることも不可能ではありません。実際、60代での治療例もあります。

確かに歯周病があったり、歯の欠損があったり、新陳代謝のスピードが遅いために反応が悪かったりといった障害はありますが、十分な配慮のもとで治療を行えば、機能と審美性(みため)の改善は可能です。

気になる点がありましたら、お気軽にご相談ください。

矯正治療の流れ(混合歯列期)

1.相談
お口、お顔を拝見し、お話を伺って、おおよその治療の目安を立ててご説明します。

2.検査・診断
歯形を取り、レントゲン、顔の写真、口の中の写真を撮影し、その結果を基に診断をして、治療計画をご説明します。

3.I期治療
お口の中に固定式ないしは取り外しができる装置をセットして、原則として月一度程度、調整のためにご来院いただきます。治療期間は2年程度になります。

4.保定
治療によって移動した歯が後戻りしないように、装置をセットし、経過を観察します。永久歯への交換までの間、3〜6ヶ月間隔でご来院いただきます。

5.II期治療
I期治療と経過観察にも関わらず、予想外の成長などにより永久歯列期での治療が必要になった場合には、主に固定式の装置を用いてII 期治療を行います。来院は月に1度程度、期間は2年程度です。

6.保定
治療によって移動した歯が後戻りしないように、装置をセットし、経過を観察します。期間は2年程度です。

治療費について

・矯正治療は一部の先天異常(口唇口蓋裂など)を除いて保険がきかず、自由診療になります。

・費用はI 期治療後、保定までで50万円程度、II 期治療まで進めば総額(I ・II期治療分を合わせて)80万円程度です。費用の中には、治療のために必要な装置の代金、保定装置などの技工料などが含まれています。費用の分割はご相談ください。

・治療にかかった費用は、確定申告により医療費の還付を受けられる場合があります。

・費用は審美だけが目的の場合を除いて医療費控除の対象となります。詳しくはこちらをご参照ください。所得税の確定申告のとき、ご自身でご申告をお願いします。税務署により、歯科医師の説明文書を求められることがあります。その際は遠慮なくご相談ください。

治療に伴う痛み・リスクについて

・治療に伴い、痛みを感じることがあります。歯の移動によるものですが、日常生活に支障を来すほどではありません。しかし、痛みの感じ方には個人差があります。必要があれば、軽い鎮痛剤を処方することもあります。

・お口の中に装置を入れることで、何もない場合に比べて虫歯のリスクが高くなります。衛生については十分に指導をいたしますが、清掃はご家庭での日常的な管理が主であることをご承知ください。

なお、ご自身での管理が難しいと判断した場合には、矯正治療とは別日で衛生士によるクリーニングをご案内しております(病気ではないため、自由診療となります)。