矯正の治療中に気をつけてほしい5つのこと

今回は、針金の装置「ワイヤー矯正」などとよばれている固定式の装置についてのお話です。見た目はこんな感じです。

とても管理の良い患者さんの写真なのできれいですね。清潔に保つには、毎食後の手入れが必須です。

具体的には、タフトブラシ、歯間ブラシなどを使って、細かい部分をなぞって食べかすとプラークを取り除く、ということになります。コツは私と衛生士さんが教えています。

矯正は慣れるまでの間、いくつかの注意点が大切になります。この記事ではそんな矯正の治療中に注意が必要なポイントを5つ挙げてみました。これから矯正を考えている方や矯正をはじめたばかりという方に加え、お子様が矯正をしたという親御様にも是非ご覧いただきたい内容です。

粘りつく食べ物は食べない

まず1点目は「粘りつく食べ物は食べない」ということです。

お餅やお団子、グミ、ソフトキャンディは禁止しています。細かい隙間にくっついて見えないまま時間が経過すると、虫歯のリスクが上がってしまいます。

硬い食品を避ける

2点目は「固い食品はできるだけ避ける」ということ。

つぶつぶの装置(ブラケットと言います)は、接着剤で歯面に直接つけられています。接着剤はいずれ破壊して歯面から取り除くものなので強い力がかかれば壊れてしまうのです。

接着剤が破壊されれば装置がはずれてぶらぶらになってしまいます。骨つきのチキン、梅干しの種、氷、堅いおせんべいなどで装置が取れる事例がよくあります。

「やめてね。」とお伝えしていますが、お子様は治療に伴う痛みがあまりないこともあり、結構なんでもかんで、壊して来ますね(泣)

“装置が取れてもすぐに医院に行けない”となると、その間、治療の効果も薄れてしまい、治療期間が延びてしまいます。

いじらない

3点目は「いじらない」ということです。

やはり気になるのでしょうか。指でつまんでいじって、もいでしまう患者さんがいらっしゃいます。だいたいはお子様です。

気になるから悪気なくやっている子もいれば、親御さんと治療の合意形成ができていなくて嫌でとってしまう子も…

歯列の状態によっては針金のスパンが長い時もあるので、余計気になるのではないかと思いますが、ご自身のためにはなりません。

コンタクトスポーツの時間が長いなら主治医に伝える

格闘技だと顔に相手がぶつかることがあり、装置で口の中の粘膜に傷を負うリスクがあります。

格闘技等のコンタクトスポーツを禁止することはいたしませんが、粘膜保護のためのグッズをいくつか用意していますので、是非お知らせください。

金属アレルギー・ラテックスアレルギーになったら早急に主治医へ

矯正治療中に金属やラテックス(ゴム手袋など)アレルギーになったら、すぐに主治医へ伝えることを徹底してください。

治療に使う金属には、ニッケル、チタン、コバルト、クロムなどの金属が含まれています。また天然ゴムも使います。

これらのアレルギーがある方は必ず治療前に、またアレルギーがなくとも、治療中にアレルギーが判明したら、すぐに教えてください。

チタンは人工歯根にも使われるくらい生体に親和性がある材料ですが、他の金属はチタンよりもアレルギー頻度が高いのです。

ゴムは合成ゴムを代わりに使えますから、遠慮なく仰ってください。

矯正治療を成功させるために

私自身も4年半も装置がついていた経験があるのでよく分かるのですが、装置がついているのは楽ではありません。

食べにくいので、食へのストレスが増し、久しぶりに友人と焼肉を食べる約束して言ったら「焼肉飲んじゃった!!」なんてことも(焼肉は飲み物??)。ある意味、大人は子供以上に矯正に対して口腔内の違和感を大きく感じる傾向があるように思います。

逆に子どもは痛くない分、装置を壊してから来院することも多く、私が泣く羽目になっていますが・・

しかし!!

楽して手に入れられるものは、大したものではないというのは皆さんも経験のあることだと思います。ドクターと衛生士を伴走者にして、一緒に良い成果を得ましょう!